Pickup07 労研饅頭 たけうち 大街道支店
今も昔も、変わらぬ“松山の味”を届け続ける。
「労研饅頭 たけうち」は、大街道と二番町通りの交差点に、昭和15年より店を構える老舗です。
大街道の歴史を見守り続ける存在として、松山市民に愛されている銘菓「労研饅頭(ろうけんまんとう)」。その歴史は、昭和初期、倉敷の労働科学研究所で中国の饅頭(まんとう)を日本人向けに改良して作られたのが始まりとされています。その後間もなく松山でも「夜学生に学資を」と、松山夜学校奨学会で製造が始まり、各学校の売店などで販売されていました。
「労研饅頭 たけうち」では、昭和初期の創業時から受け継がれている酵母菌と製法を守り、毎朝手づくりで饅頭を製造しています。
「昔から変わらない味が嬉しい」と長年愛されるその秘密は、毎回作るときにタネを少し残し、次の饅頭を作るときのベースにするという継ぎ足し製法にあり。この繰り返しで創業時の酵母菌を受け継ぐことにより、素朴な味を守り続けているのです。また、保存料を使用していないため、お子さんのおやつとしても喜ばれています。
労研饅頭の種類は全14種類。味付け(あんなし)とあん入りがそれぞれ7種類ずつあります。ふっくら金時豆が入った一番人気の「うずら豆」に塩味の黒豆入りの元祖労研饅頭「黒大豆」、北海道産小豆のつぶあん入りの「つぶあん」、「こしあん」、「よもぎつぶあん」「白あん」などバラエティ豊か。
店頭で好みの種類を注文すると、お店の名前が入った包装紙で包んでくれるのも昔から変わりません。
饅頭はその日の朝、本店の工場で製造したものを販売しており、売切れ次第終了。営業時間は朝9時30分から19時までですが、商品に余裕があるときは19時以降も店を開けている場合もあります。「二番町は仕事帰りの方や夜、飲みに出て来られる方など夜の人通りも多いので、なるべく19時以降も開けるようにしています」と竹内社長。夜は社長自ら店番を担当することが多いそうです。
大街道の歴史を見守り、懐かしの味を守り続けてきた老舗ですが、2018年7月に店舗を全面リニューアル。「古くから馴染みの深いお客様からは『前の店の雰囲気が良かったなぁ』というお声をいただくこともありましたので、新装するとはいえ、なるべく当時の雰囲気を壊さないように心がけました」という社長の言葉通り、昔ながらのレトロな雰囲気を残した店構えで、橙色の看板と白い暖簾が新たな目印となっています。
リニューアルオープン後の変化をうかがうと、「学生さんなど若い方がふらっと寄ってくださる機会が増えたように思います」とのこと。
長年のファンであるご年配のお客様はもちろん、手ごろな価格設定と、現代のおやつにはない素朴さが、若い世代にウケているのかもしれません。
最後に、「労研饅頭」の美味しい食べ方を直伝していただきました!
保存料を使っていないので、時間が経つと自然とかたくなる労研饅頭をおいしく食べる方法は以下の通り。
①蒸しなおす
②パンのようにトースターで軽く焼くと香ばしくなって美味!
③電子レンジで温める(目安は500wで約40秒)